2020年より小学校では英語が教科となりました。世のお父様お母様の小学校時代からするとずいぶん変わりましたよね。 今回は聞きたくても聞けないお父様お母様に向けて、 フォニックスを分かり易く説明していきます。
皆様はフォニックス学習というものを聞いたことがありますか?
聞いたことのある人はとても情報感度の高い方です!大半の方は馴染みがないかと思います。
実はフォニックスとは英語学習における最高のメソッドなのです。
これを読み終わるころにはフォニックスのことが何となく理解できた上に、きっと目から鱗が落ちているでしょう。
もくじ
いきなりですが、日本人が生涯で英語を勉強する時間はどのくらいだと思いますか?
実は中学校から高校まで6年間と大学4年間(実質約2年間かと思いますが)合計736時間です。(※現在は小学校3年生から授業を行っていますが、内容的にみても少し時間が増えた800~900時間くらいかと思います。)
これを聞いて皆様はどう思いましたか?
多いよ!
いやいや少ないよ!
感じ方は人それぞれかと思います。
しかし実は外国語の習得には約2,000時間~5,000時間と言われております。
毎日365日毎日30分勉強しても10年かけてやっと2,000時間です。
日本の教育で学べるのはたったの約740時間(大学を抜かせばもっと低いですね)。
毎日8時間勉強したとして、92日間分=約3ヵ月です。
ギュッとして、たったの3ヵ月です。
これでグローバル人材になるなんて夢物語でしかありません。 言語はそんな簡単なものではありません。
しかし!夢物語ではなく現実にする方法が唯一あります。それがフォニックス学習です。
フォニックス学習を取り入れることによって効率よくコスパ良く勉強することが可能になります。従来の日本の英語公教育システムが間違った方向に行っていたと言わざるを得ません。
そうです。間違った教え方を何十年もしていたのです。
これから詳しく説明していきます。
フォニックス学習を一言で言うなら、「文字と音を繋げること」です。
アルファベットはウネウネ曲がりくねった形をしていますよね。それぞれの形(文字)がどの音かを認識することがフォニックスの根底にあるものです。その「文字と音を繋げる」過程として文字の発音方法と読み方のルールを学んでいきます。文字は組み合わせることで発音が変わる性質があるため、じっくりと学ぶ必要があります。
現在、英語圏の多くの学校ではフォニックス学習を用いて「文字の発音」と「読み方のルール」を学んでいます。
やはり英語圏とはいえ、いきなりスラスラ読めるようにはならないのです。
まずは各文字の発音や書き方を学んでいきます。cからはじめて、oの後はd、その後gとドンドン学んでいきます。英語圏でもまずは「読むために学ぶ」のです。
実はその期間、約4年。
そうなんです。4年もの間、毎日何時間も読む為の準備をしているのです。
ネイティブスピーカーは着々と基礎をしっかり積み上げていますので、決して単語を丸暗記するといったことはしないのです。
「だからこそ日本人は暗記するんでしょう?だって暗記しないとネイティブに追いつかないじゃん!」
「漢字を暗記する要領で英単語を暗記すればいいじゃん!」
そう思う気持ちもわかります。
しかし暗記は90%逆効果に働きます。一つの単語を暗記しようと思えば、読み方、綴り、日本語訳、使い方など多岐にわたります。日本が世界的にも英語教育が遅れている根本原因の一つは英単語暗記をベースにした指導であることは言うまでもありません。
そもそも日本語と英語とでは言語の構造が全く違います。日本語のように形を覚えないと絶対に読めない漢字と違い、英語は各文字がどんな読み方をするか知っていれば単語は読めてしまうのです。
物凄く簡単に言うと、ひらがなだけで文章を書いているような雰囲気です。ただし英語の場合、母音の音の数は約3倍多いです。
単語の意味は知らなくても読める、発音できる。このフォニックス学習が「読む」ことのファーストステップなのです。
アルファベット26文字あり、各文字には「名前」と「音」の2種類の発音があります。
「名前」はそのままの読み方をするということです。実際の発音は日本語では表記できませんが、カタカナ英語にすると「A」=「エィ」「B」=「ビィ」「C」=「シィ」が「名前」になります。この「名前」というのは後で出てきますので、覚えておいてください。
次に「音」です。
「音」には「母音」と「子音」があり、英単語は「母音」と「子音」を組み合わせることによって成り立っています。
母音の音に関しては実は14~19音あります。
それに対し、日本語は5音です。
この時点で察しが良い方は「どうりで英語は発音が難しいわけだ」と合点がいったのではないでしょうか。
もちろん、だから日本語の発音は単純である、ということでは全くないです。言語にはそれぞれの特徴があるだけです。
母音は「a」「e」「i」「o」「u」(『y』は母音時々子音です。)
子音というのはそれ以外ということになります。
英語は母音と子音を組み合わせてできています。例えば「cat」「bed」「pin」「rug」は母音と子音を組み合わせた単語で、これをCVC wordsと言います。
正解です!子音(Consonant)母音(Vowel)子音(Consonant)の組み合わせた単語をCVC wordsと言います。他にももっともっとたくさんありますが、ここでは割愛したします。
母音や文字の発音についてもっと知りたい方はYouTubeで「フォニックス 発音」と調べていただくとたくさん出てきます。
ちなみにオール子音やオール母音の単語は存在しません。 かならず子音と母音のミックスになります。
フォニックス学習を進めていくと文字の発音以外にもたくさんのルールが登場します。
「マジックeの法則」や「eaは夫婦の法則」など、実は割と分かり易いルールが数多く存在しています。
例えば、「Cake」という単語があります。ケーキのことです。 ただカタカナ英語の「ケーキ」と発音しても海外では通じません。
ここで海外でも通じる発音になる、マジックeの法則を説明いたします。
マジックeの法則に則り、「Cake」を正しい発音で言うには先ほどのCVCについて思い出していただく必要があります。
マジックeの法則の適用単語は「CVC+e」となりますので、「子音・母音・子音+e」という構成になります。
マジックeの法則では「子音・母音・子音+e」 の母音が自分の名前を言います。「Cake」の場合は母音が「a」なので「エィ」になります。「Cake」を発音すると「ケィッk」となります。
日本語では表せないのであえてこのように書かせて頂きました。タイプミスではありません。
さあ、いかがでしょうか?
「ケーキ」が海外で通じない理由は少しわかりましたか?
日本語と英語では母音の数が全く違うから当然ですよね。先ほど日本語の母音は5音しかないと言いましたが、日本語の「ケーキ」にはほぼすべてに母音が含まれています。(ーは音を伸ばして考えます)
日本語の母音は5音は「あ」「い」「う」「え」「お」ですよね。あまり意識しないかもしれませんが、実は「か行」以降は全ての文字に5つの母音のうちの一つが入ります。
※「ん」は特別なので違うかもしれません。
分かり易いように「か行」を下記の通りローマ字に変換してみました。
- 「か」=「ka」
- 「き」=「ki」
- 「く」=「ku」
- 「け」=「ke」
- 「こ」=「ko」
読み方は非常にシンプル。早い子で幼稚園生から読み始める日本語だが、後にカタカナや漢字が登場し、読み方の難易度はうなぎ上りです。 漢字の音読み、訓読みがあり、漢字の数は無限とすら思えます。大人でもすべて把握するのは難しいでしょう。 大人になっても読み書きができない漢字は山のようにありますよね。
さて英語はどうかというと、アルファベットのそれぞれの発音や母音の音の種類が多く、読み方のルールも複雑です。読むための準備期間が4年程(国や場所によって異なります。)あるのはそのためです。しかし一度フォニックスのルールが叩き込まれえると割とどんな単語も読めるようになるのです。もちろんフォニックスルールが当てはまらない単語もたくさんありますので注意は必要ですが、それは次第に感覚で読めるようになってきます。この感覚は漢字を見てパッと読めるような感覚と似てるのではないしょうか。
読むことからすべてが始まります。字が読めなくて成功した人はあまり聞いたことがありません。
つまり読むことはすべてに通ずるのです。
読めなければ、書けません。たしかに耳が良い人は、そっくりそのまま音を出すのことできるかもしれません。しかしおそらく適当です。感覚で真似してたまたま当たったといったほうが良いかもしれません。
ピアノを習ったことある方は分かると思いますが、ピアノの先生が出した「ド」の音を聞いただけで、初心者がどの鍵盤が「ド」か当てられるのは奇跡もしくは一部の天才だけです。
英語も同じです。「読む」ことができれば、リスニングも良くなりますし、正しい発音もわかる。英語の根本は「読む」ことなのです。そして「読む」ことができれば、世界と繋がることが可能になります。
「英語といえば、英会話!まずは英会話教室へ!」
ということで初心者にも関わらず、いきなり英会話教室に行き、先生と話すだけで英語ができるようになると思っている方は日本では意外と多いと思います。
その方法が間違いとは言いませんが、かなり遠回りな勉強になります。
日本語を外国人に本気で教えようと思ったとき、会話だけで日本語が上達するとは思わないですよね。
「あいうえお」を見せながら、これが「あ」でこういう音を出すんだよ!と教えるのではないでしょうか。
英語も全く同じです。
英会話で先生との会話で耳を鍛える、とよく言いますが、それだけで上手になるという訳ではありません。結局のところ読む勉強もしなければ正確にリスニングするのは難しいでしょう。早い段階で乗り越えられない壁に当たるでしょう。暗記が得意であったが為に英語力を見誤った例はたくさん知っています。暗記だけでは乗り越えられない壁は高いです。
読めるから、発音がわかるからこそ、リスニング力も伸びます。リーディングとリスニングは補完し合っているのです。そしてリスニングだけでなく、ライティングやスピーキングの4技能すべて補完し合っているのです。
日本にいると「英語ができる」ということは「スピーキング」ができる、「ライティング」ができることと認識されることが多いかと思います。アウトプットというと「話すこと」と「書くこと」ですよね。インプットとは「聞くこと」と「読むこと」ですね。
ここで考えていただきたいのが、インプットなくしてアウトプットはできるか。
インプットがなければ、当然アウトプットもできないのではないでしょうか。 先述した通り、インプットとアウトプットはお互いを支え合っているのです。
日本の英語教育では暗記といった間違えたインプットを実践しており、間違ったインプットが間違ったアウトプットを生むのです。私は「読む」という正しいインプットを蔑ろにしている現状に危機感を覚えます。これ以上世界から取り残されないように正しく学ぶべきです。
フォニックスはそのインプットにあたる「読む」を学ぶのに最も適している学習方法であり、「読む」ことは英語のすべてに繋がる土台部分なのです。
さあ、ここまで説明すると「じゃあどんな効果あるの?」と思われるはずです。フォニックスの効果はあげるとキリがありませんがザッと紹介していきたいと思います。
1)まず発音がきれいになる
2)聞き取れる単語が圧倒的に増える
3)聞き取れるからスピーキングも上達する
4)初見の難しい単語も読める
5)綴りも自然と身に付いてくる
6)英単語暗記とはお別れ
7)そしてなによりも本が読めるようになる!
いま思い付くだけでこれだけありました。
そしてデメリットがゼロです。たまにフォニックス学習を否定される日本の英語の先生がいらっしゃいますが、ただ単にフォニックスに馴染みがないだけだと思います。繰り返しますがデメリットがなく、メリットづくしです。
・文字と音を繋げることがフォニックスである
・フォニックス学習とは「文字の発音」と「読み方のルール」の二部構成
・読むことを科学的に研究したのがフォニックス
・読むことは英語の源である
・英単語の丸暗記は必要なし
今、世界の共通言語は英語であると言っても過言ではありません。そんな世界中にあるデータや情報を生のまま知ることができることは、今後ますます大事になるはずです。
ということは「読む」ことはとても大切なことなのです。
人々はなぜ「読む」のか。
受験のため?英検のため?
根本は違うはずです。人間は「読む」ことができたからこそ、ここまで進化しました。動物で読み書きができるのは人間だけです。情報を書き残し、それを次世代が読めるからこそ発展してこれたのではないでしょうか。「読む」ことは誰かの考えを知ることができる。そんな先人たちの知見を何世紀にも渡って伝え、次世代がブラッシュアップを重ねていったことが人類の進化に一役買ったことは言うまでもありません。そう考えると「読む」ということはロマンに溢れていると思いませんか?世界中の情報を手に入れるチャンスです。
フォニックスで英語が得意になる。そう思っていただければ幸いです。
Thank You!
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