当校Red Gate Reading Academyのトーコ先生の場合
Q:あなたのバイリンガル(トリリンガル)への道のりを教えてください。
母は私に英語を学べるよう常に努力してくれたおかげで、4歳から英語保育園に入れてくれました。なので、そこからはずっとインターナショナルスクールでした。私の英語学習はそこから始まりました。5歳頃からフランス語のレッスンを受け始めるようになり、そこからは、日本語・英語・フランス語の3言語との生活です。やはり3つの言語をミックスしないようにするのはとても難しかった記憶があります。
Q:英語を話す子供たちとフランス語を話す子供たちとの関わりに違いを感じましたか?
私は非常に早い段階で言語学習にポジティブな経験をすることができました。子供の時、フランス語は真剣に取り組む言語でした。もちろんそれでもフランス語は楽しかったです。それに比べて、英語はどちらかというと遊びやゲーム、友達などと楽しいことが結びついている言語だったので、早い段階から英語は非常に前向きなイメージを持っていました。子どもたちが言語を学ぶときに、その言語が楽しいと感じられることは長期的な学習に非常に役立つのだと思います。
Q:あなたの学歴はどのようなものでしたか?
10歳のときにフランスに移り、その後18歳になるまで両親と一緒にパリに住んでいました。
パリではイギリス系の学校に通っていたため、学校の授業は英語でしたが、学校外ではフランス語を話しました。高校卒業後、18歳でロンドンの大学に進学しました。大学卒業後に日本に帰国(?)・就職するですが、日本は実に14年ぶりにでした。
Q:バイリンガルとして自信を持てたのはいつのタイミングでしたか?
若い頃の私は日本語をきちんと日本語を話すことが出来ませんでしたが、やはり他の子供たちと比べるとかなり劣っていました。それでも自分の中では「日本語が話せなかった」という自覚はありませんでした。(笑)
どちらかというと、大学を卒業した後、社会人として日本に戻ってきた時に初めて「あ、私は英語が第一言語なんだ!」と日本語をかなり忘れてたことに気が付きました。
人生で初めての仕事だった外資系の広告会社で働き、気が付いたことは、さまざまな国から集まったチームと一緒に仕事をするときに、バイリンガルやバイカルチャーであることがどれだけ強みであるか、そしてそれが様々な繋がりを生み、多くのチャンスを得ることを可能にするかということに改めて気付かされました。
若い頃は、他から目立ちたくない!他の人と違うことをしたくない、という気持ちが強かったのですが、英語はこんなにも強みになるのか!ということに気が付いたのは、20代後半くらいになってからだと思います。思い返すと、言語学習は本当に学習のバランスが大切なんだと感じています。
特に大人になってから思ったことは、他の人たちと交流し、社会的スキルやコミュニケーションスキルを伸ばすことができるように、実際の学習以外にも、子供のうちにコミュニケーションスキルを身につけさせることも重要だということです。
【帰国子女必見】帰国する子供たちが英語を伸ばし続ける6つのアドバイスQ:家では何語を話しますか?
私の両親は、英語とフランス語どちらも、さまざまな種類の刺激を与えることを非常に意識的に努力していたと思います。だから、ただ英語のレッスン、フランス語のレッスンに行くだけではありませんでした。毎日、車の中でカセットテープを聞きながら英語の物語など聴覚を刺激し、表情を理解するために英語の映画やディズニー映画を観ることもありました。友達と話すのも大事でした。そういった感覚的なもの、さまざまな種類のインプットがたくさんありました。子供の頃は、一週間を通してそのような異なる接点を持つことができたと思います。レッスンはもちろん大切ですが、日本語や他言語に触れるなど、さまざまな種類の特別な経験を持つことも非常に大切だと思います。特に子供は何でも吸収する時期ですから。
また、私の父はあまり英語を話せませんので、昔は日本語がほとんどでした。母は英語と日本語で話しました。フランスに移住してからは徐々に話す言語がフランス語にシフトしていき、今ではフランス語と日本語です。(笑)
とても興味深いのは、私の両親はどちらも英語のネイティブスピーカーではありません。父はほんの少し英語を話す程度です。母は私を産む直前まで少し英語を勉強していたようですが、どちらもネイティブスピーカーではありません。これで両親がバイリンガルやネイティブスピーカーでなくても、バイリンガル(マルチリンガル)を育てることができることが証明されますね。
Q:いま英語を勉強している生徒にアドバイスはありますか?
言語学習は本当に楽しいプロセスだと思います。
宿題をすること、教科書やドリルが全てではありません。 英語学習には楽しいことがたくさんあります。例えば、私にとって読書は子供の頃から本当に楽しんでいたものでした。父はよく海外に行っていて、海外出張に行くたびに、私が好きそうな英語の本を選んで、買って帰ってきてくれました。その良い思い出があったから私は読書が好きになり、今でも私のちょっとした趣味です。
最後に、幼い頃から言語を学び、言語に触れることは、とても大切です。早ければ早いほど良いと思います。
【衝撃】帰国子女の知られざる栄光と挫折